こんにちは千葉県で窓ガラスフィルム施工専門にしているWORKS ZEROの澤田です。
今回は寒さ・結露対策についてお伝えします。
日本家屋の実態
日本の住宅は30年しか持たないと聞いた事がありますでしょうか?
実際2018年の国土交通省「住宅経済関連データ」を見ると日本の住宅の寿命は「32.1年」となっています。世界の国々と比べてみると日本の常識が欧米諸国では非常識であることが分かります。イギリスは80.6年、アメリカは66.6年なので日本だけが極端に短いと言えます。この数字は実際に取り壊された住宅の平均築年数から算出したものになります。日本の住宅が劣化しやすく30年しかもたらい事を示すのではなく劣化の度合いにかかわらず約30年で取り壊して建て替えことを選ぶ日が多いという事です。
日本で建てられている多くの住宅も平均寿命である30年持てばいいという認識ある事が多いです。長期間住んでもらう、住み続けるという認識にも欠けている面もあります。
欧米の人たちは住宅に子孫に受け渡す資産ととらえています。住まいをメンテナンスし資産価値が低下しないよう維持管理をします。
誰でもお気に入りのモノは大事に使い、こまめに手入れもします。もし不具合が生じても修繕したり部品を交換したりても長く使おうと思います。このお気に入りが実は長持ちの大事な様なのです。思い入れのないモノは手入れもおろそかになり、不具合が生じると買い替えを考えてしまいます。住宅も同じ事が言えます。愛着を持つ条件の一つに快適さがあると思います。
快適さの第一は「夏は涼しく、冬は暖かい」体にストレスを感じないという事です。住まいに求められた事が日本では軽視されてきました。それは日本の家の作り方に問題があります。その背景には歴史的経緯が大きく関係しています。
古来、日本の住まいは夏の暑さをしのぐことに重点をおいてつくられてきました。鎌倉時代、吉田兼好が「徒然草」で家のつくり様は夏を旨とすべしと記したように日本の家は高温で多湿な夏を快適に過ごす事を第一に間取りやつくりが考えられてきました。壁で部屋を囲わず、障子やふすまの建具で仕切り、夏は建具を開け放ち通す。日中は暑くても夕方には夕立があり、風が吹いて日が落ちるころには涼しくなったのです。
こうした家は冬場当然ですが寒くなります。しかし日本では多少の寒さを我慢してしのぐというのが一般的な生活、そして美徳とされてきました。四季があり、それほど極端な酷暑や酷寒のなかった日本では暑さや寒さは我慢するものとされていました。冬は火鉢やコタツなどの器具で寒さに耐えていました。ただ、近年の地球温暖化で夏でも耐えられない酷暑が続いています。対策は必要と思われます。
日本人の生活スタイルは高度経済成長期から急速に洋式化し始めました。欧米の生活文化が入り始め部屋が壁で分断され間取りのスタイルが一般化し、暖のとり方も火鉢やコタツによる採暖から部屋全体を暖める暖房へと移行していきました。家のつくりもそれまでの開放的なつくりから、冷暖房の効きをよくするために断熱化と気密化が意識さえるようになりました。しかし、ここで大きな問題が発生しました。この断熱、気密化への正しい理解は進んでおらず、中途半端な断熱性能、気密性能の家が多くつくられるようになりました。
では、なぜ日本の家は寒いのでしょうか。国の制度から考えてみます。
住まいの温度に対する欧米諸国の考え方は日本と大きく異なります。北欧のスウェーデンでは暖房のない部屋には税金がかかりません。またドイツでは室温が20度以下になる住宅は賃貸物件にできません。20度を保てない住まいは基本的人権を守れないと考えられているのです。
省エネ性能低い家は健康にも被害を及ぼす!?
家ができたら部屋の広さに見合ったエアコンやストーブを取り付ける。暖房や冷房をよく効かせるためには良い断熱材を使わなければなりません。実はそうではありません。その結果、夏場はエコ案を運転しつも快適にならない住宅が多く生まれます。足元だけが冷えて不快感を覚えたり、時には痛みすら感じますのでエアコン嫌いの人が多くいるのはこれが原因です。冬場は冷え性なので厚手の靴下や肌着が必需品、寝る前はお風呂に浸かり体を温めないと寝つけない、暖房は床暖房にして欲しいという人が大勢います。
部屋を壁で仕切り、断熱材を使って隙間を塞ぐようになると暖まった空気は拡散せず、部屋の中にとどまります。この空気にはストーブなどの燃料から生じた大量の水蒸気が含まれこれが結露の原因となります。さらに部屋ごとの温度差が結露を発生しやすい状況になります。結露はカビやダニなどの繁殖につながります。快適性の問題を超えて、そこに暮らす人たちの健康に被害をもたらす重大な問題となります。
寒さ対策の窓、サッシ
建物には窓があります。窓から夏の暑さや冬の寒さの熱の流入や流出が多いです。寒さ対策のガラスや断熱に向いているサッシがあります。既存のガラスやサッシを規格や寸法の関係で交換をするのは難しいかもしれません。
・窓、窓ガラス
・フロートガラス(単板ガラス)
もっとも一般的に用いられている板ガラスです。フロート板ガラスはフロート方式によって製造される最も基本的なガラスで高い平明制度を持ち採光性、透視性にすぐれています。厚みも2ミリから25ミリと幅広くあります。安価ですので多く取り入れられています。
・ペアガラス(複層ガラス)
ペアガラスは2枚以上の板ガラス、加工ガラス(合わせガラス、強化ガラス、型板ガラス)など表面に光学薄膜を加工したものを一様の隙間をおいて並置しその隙間に大気圧に近い圧力の乾燥空気を満たし、その周辺を封止したものであり、内部に中空層を持つため通常の板ガラスに比べて断熱性に優れています。最近では乾燥空気の代わりにアルゴンガスなどを乾燥空気よりも断熱性に優れているガスを注入しさらに断熱性を高めたものが主流となっています。
メリットは空気層がある為、冬の断熱性にあります。デメリットはペアガラスは一生もつわけではありません。密閉した部分も約15年で劣化しガラスの隙間に水分が入り込むと水滴がついた状態になる事があります。
・Low-Eガラス
Low-EガラスはLow Emissivity Glassの事で低放射ガラスになります。ガラス面に金属薄膜をコーティングしたものです。放射率は0.1以下非常に小さく複層ガラスの中空層面などの密閉空気層に使用することで泣き断熱性を発揮します。Low-Eガラスは主に常温放射熱の波長域での反射率が中区、その機能は断熱性能を高める事にあります。この為、Low-Eガラスの薄膜面は熱線反射ガラスの薄膜よりも耐久性が劣り、単独で用いられることはなく複層ガラスのような密閉層に対して用いられます。
Low-Eガラスには断熱系と遮熱系があります。断熱系は冬の寒さ対策に使われ、遮熱系は夏の暑さ対策に使われます。ガラスに少し色がついていますのでどちらのガラスかは現場で確認してもらえます。
・トリプルガラス
トリプルガラスはガラスを3枚を使い2つの空気層があります。ペアガラスよりも空気層が1つ多いので断熱性能が高いガラスになります。特徴としましては一つ目断熱性が高いので室内の熱を逃がしにくいので結露がしづらいです。二つ目は音対策になります。空気層が2つあるのでそれだけ音漏れを防ぐことができます。三つ目は防犯対策になります。泥棒のほとんどが窓ガラスから侵入するパターンになります。ガラスが3枚ある事によりそれだけ侵入に時間がかかります。デメリットは金額が高い事です。ガラスが3枚になりますのでその分金額もアップしてきます。追加してガラスが3枚ありますので重さもでてきます。開ける時に真空でくっついている様な感じがします。
・二重窓
今ある窓ガラスお室内側に窓を取り付ける事です。内窓やインプラスと言われたりします。効果として寒さ対策の断熱、結露対策、防音効果、省エネ効果があります。デメリットは室内に窓を作るので金額が高くなってしまいます。既存の窓に設置をするため設置できない家や制約がでてしまう窓があります。
・サッシ
・樹脂サッシ
樹脂サッシは塩化ビニール樹脂から成型さえたサッシになります。樹脂サッシは樹脂で構成されていますので熱の伝えにくさがあります。室内と外との温度差を減らす事ができますので結露対策に使われる事があります。気密性も高いので防音対策としてもつかわれます。樹脂サッシは紫外線に弱いのです。劣化がすすむとチョーキング現象が起こります。定期的なメンテナンスが必要になります。
断熱性に優れているサッシですので複層ガラス、Low-Eガラス、トリプルガラスとの相性がよいです。
・アルミサッシ
昔から使われているサッシになります。アルミサッシは加工がしやすく安価というメリットがあります。その反面、暖房効率の低下、結露の発生などデメリットがあります。
アルミサッシは単板ガラス、網入りガラス、強化ガラス、防犯ガラスなど多くのガラスとの組み合わせに使われています。
・木製サッシ
木製サッシと聞くと昔の学校のイメージがある方もいらっしゃいますが現在では断熱性が高いという事で使われることもあります。断熱性が高いので結露防止にもなります。デメリットとしましてはアルミサッシよりも金額が高い事です。木製ですので経年劣化が起こります。定期的なメンテナンスの防腐剤の塗装が必要になってきます。加えて、雨にも弱いです。火事の時にすぐに燃えてしまう心配をされる方もいると思いますが金属よりも木製の方が燃えにくいです。防火認定された木製サッシもあります。
何といっても木製サッシは断熱性が特徴になりますのでペアガラス、Low-Eガラスと組み合わせるとより断熱性能が上がります。
・複合サッシ
複合サッシはアルミサッシと樹脂サッシとの組み合わせです。外側をアルミで室内を樹脂で構成されたサッシになります。アルミのメリットの耐久性、価格になります。デメリットは熱を伝えやすく結露が発生しやすい。樹脂は断熱性が高く結露がしにくいが紫外線による耐久性がありました。この両者の合わせる事でそれぞの利点をいかしたサッシになります。
複層ガラス、Low-eガラスと組み合わせると断熱性も上がります。
夏、熱入る、冬、熱出る
住宅の快適・省エネに「窓」が大きく関係しています。冬の熱の流出の52%が窓から出て行きます。逆に夏は74%もの熱が窓から流入してきます。夏暑くなく、冬寒くない家は「窓」の事もしっかりと考える事が大切になります。
冬の熱の流出する52%が窓から出て行き、逆に夏は74%もの熱が窓から流入してきます。図面上で開口部に大きな窓をつくるとデザイン性はあがります。しかしリビングの吹き抜け部分に大きな窓を設置してしまうと夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。当たり前ですが暖かい温度は上に上がり、冷たい空気は下に下がります。冷暖房が効くのに時間と電気代がかかってしまいます。
それ以外にも台風や地震の時にガラスが割れて降ってくるのでは恐怖があります。さらに窓ガラスが大きいと外からの視線も気にされる方もいらっしゃいます。周りの家から室内が見られているのではないかと思う事もあります。カーテンやブラインドを設置も考えますがそうなると折角の開放感がなくなってしまいます。
結露
部屋を壁で仕切り、断熱材を使って隙間を塞ぐようになると暖まった空気は拡散せず、部屋の中にとどまります。この空気にはストーブなどの燃料から生じた大量の水蒸気が含まれこれが結露の原因となります。1枚のフロートガラスではさらに部屋ごとの温度差が結露を発生しやすい状況になります。結露はそのまま床や畳に滴り落ちてきて拭いても拭いても結露がなくならずカビやダニなどの繁殖につながります。快適性の問題を超えて、そこに暮らす人たちの健康に被害をもたらす重大な問題となります。
断熱フィルムの種類
断熱フィルムは室内の熱を逃がしにくくする断熱効果があるフィルムになります。冬は窓から熱が多く逃げていきます。断熱フィルムを施工する事で窓ガラスを魔法瓶の様にして熱を室内へ戻して寒さが軽減する事ができます。暖房費の節約ができ、省エネ対策も期待できます。断熱フィルムは通称の名称になります。メーカーによっては低放射フィルムと表記をしている場合もあります。JISでは低放射フィルムをLE表記している事もあります。
フィルムですので窓ガラスに貼るだけで冷気を逃がしにくくするので手軽に防寒対策ができます。
断熱フィルム(低放射フィルム)は各メーカーが出しています。
スリーエム LOW-E70
スリーエム LOW-E20
サンゲツ エコリム70
住友理工 リフレシャインTW-32
住友理工 リフレシャインTW-36A
タクミ RSP35LE
タクミ NS70LE
フィルムメーカーのサンゲツのエコリム70の施工事例があります。
天候は晴れ午前9時外温6度の環境下で20度の暖房をつけた場合フィルムを施工したガラス表面は室内の暖かさを保っています。
透明断熱フィルムを貼った窓ガラスは22℃
透明断熱フィルムを貼っていない窓ガラスは14.4℃
その差は7.6℃にもなります!
断熱性能の秘密はフィルムの構造にあります。
断熱フィルムの構造をみてみると何層にもなっています。断熱フィルムは薄い金属膜が含まれています。
日射反射効率の良い”金属スパッタリング膜”を含む”ナノメートル”の薄さの膜を何層にも重ねた”マルティプライング多層膜”を採用する事で透過と反射の”光波長の選択”を可能にした製品です。(ナノメートル=100万部の1ミリメートル)
この金属膜が、室内の暖かい熱を反射し、熱が外へ逃げにくくなっています。
通常のフィルムよりも厚みがあるので施工には技術がいります。
断熱フィルムの効果・冬だけでない
断熱フィルム(低放射フィルム)は寒さ対策や結露対策に有効です。ただ断熱フィルムは熱を逃がしにくくするだけでなく夏の暑さ対策にも有効です。
夏は遮熱効果により太陽の日差しをカットして冷房効果も高める事も期待できます。
年間を通して冷暖房費の削減にも期待ができます。
災害対策もできる
断熱フィルム(低放射フィルム)は夏の暑さ対策の遮熱、冬の寒さ対策の断熱効果があります。省エネ対策が出来るフィルムですがそれ以外にも効果があります
・紫外線カット
紫外線を99パーセントカットします。暑さ、寒さ対策以外にもフローリング等の床焼けの軽減にもなります。
・飛散防止
窓ガラスフィルムの最大のメリットと言ってもいいのが災害対策になる事です。台風、地震、竜巻などが起こった時に窓ガラスが割れた時の二次災害を防ぎます。
台風の前に養生テープ等でバツ印に貼る事もなく対策ができます。
住宅や職場が快適になれば空間の満足度も向上します。
過ごしやすさを重視することで快適さがアップします。
長期的な目線で考えた時に水道光熱費の削減につながりますので省エネ節約になります。
「フィルム1枚で快適な空間のご提供」をしております。