2019年9月、関東を襲った台風15号は、千葉県を中心に甚大な被害をもたらしました。
専門家は、「地球温暖化の影響で海の温度が上昇すると、より強力な台風が発生する可能性がある」と警告しています。
海水の温度が27度を超えていると台風になります。秋になっても日本の周辺の海の水温が高いので台風は今後増えると思われます。
近年、こういった背景から、大切な命と住まいを守るための台風対策として、窓ガラスフィルムが注目を集めています。窓ガラスフィルムは、飛散防止だけでなく、飛散したガラスの破片による二次被害を防いでくれる役割もあります。
そこで今回は、窓ガラスフィルムの効果や、台風で窓が割れると起こる危険性についてお話し致します。
そもそも窓ガラスフィルムとは?
窓ガラスフィルムとは、窓ガラスに貼ることで様々な効果をもたらすフィルムのことです。
中でも台風対策として気になるのは、「飛散防止」の効果です。窓ガラスフィルムを貼ることで、万が一窓が割れた際に、ガラスの破片がフィルムに貼り付いたまま保持するので、飛散を防ぐ効果があります。
窓ガラスフィルムの主な効果と種類
窓ガラスフィルムには、防犯フィルムや目隠しフィルムなど様々な種類があり、フィルムによって効果が異なります。
ただし、「飛散防止」と「UVカット」の機能は、JIS規格合格品の全ての窓ガラスフィルムに備わっています。
例えば、「人の目が気になるから」という理由で目隠しフィルムを貼る場合、目隠しの効果だけではなく、「飛散防止+UVカットの効果も得られて
他にも目隠しだけではなく、窓際の温度を夏場最大16度軽減する暑さ対策の遮熱フィルム、冬家の部屋の暖気を逃がしにくくする寒さ対策の断熱フィルム、光に集まる虫を寄せ付けなくする防虫フィルム、新型コロナにも効果がある抗ウイルスフィルム、泥棒対策の防犯フィルム、博物館や夜景をよりキレイ見えるようにする低反射フィルム、デザインを重視したデザインフィルムの一部にも飛散防止+UVカットの効果もあります。
【窓ガラスフィルムのJIS規格合格品とは?】
日本ウインドウフィルム・フィルム工業会によって定められた基準をクリアしたもの。フィルムの引張り強さ・粘着力・フィルムの耐候性・ガラス飛散防止率・紫外線カットなど、「JIS A 5759 建築窓ガラス用フィルム」の試験に合格しているフィルム。
台風で窓が割れる原因の多くは「飛来物の衝突」
台風の影響で窓ガラスが割れる原因の多くは、「飛んできた物が窓にぶつかること」です。風圧だけで窓ガラスが割れることはほぼありません。
風で物が飛びはじめるのは、風速20〜25m/sを超えた時と言われています。よって、「台風の時には物が飛ぶ」という認識が必要です。ちなみに、2019年に関東を襲った台風15号の最大瞬間風速は57.5m/sを記録し、観測史上1位となりました。
雨戸やシャッターがあれば直接窓に物がぶつかる確率を減らすことができますが、マンションにお住まいの方は、外観を損ねる等の理由により、シャッターの取り付け自体できないことがほとんどです。
また、例えばシャッターを取り付けるとなると、腰高ガラス(80センチ×80センチ)2枚に対して40万円ほどかかります。同じ条件で窓ガラスフィルムの施工をする場合、価格は10分の1以下に抑えることができます。
「いかにコストをかけずに窓ガラスを割れにくくするか」
「万が一割れてしまった場合の飛散防止と二次被害のリスクを抑える」
これらのことを考えたうえで、「窓ガラスフィルム」を台風における窓ガラス対策としておすすめしています。
台風対策で「窓ガラスに養生テープ」は逆効果?
台風のシーズンが近づくと、SNSを中心に「窓ガラスに養生テープを貼ろう」といったことが話題に上がります。飛散防止や窓ガラスの強化を目的としたものと思われますが、これは大きな間違いです。
養生テープを貼ることによって、窓ガラス本来が持つ”たわみ”を消すことになります。たわみがなくなることで、強風や飛来物による衝撃の逃げ場を失い、逆に強度が下がって割れやすくなってしまいます。
また、下手なテープの貼り方では、割れた際のガラス片が大きくなってしまい、避難経路を確保できないなどの二次被害へと繋がります。
DIYで窓ガラスフィルムを選ぶ際は「JIS規格かどうか」を確認する
2019年に発生した台風15号の影響やDIYの普及により、ホームセンターなどでフィルムを買ってご自身で台風対策をする方が増えてきました。
たしかにご自身でやるDIYは、業者に払う施工代もなく安価に済ませることができます。ただし、市販の窓ガラスフィルムの多くはサイズが限られています。1つの窓に2枚以上のフィルムを貼ると、フィルム同士の境界線ができてしまいますので、どうしても見栄えが悪くなってしまいます。
こちらは厚さが300ミリを超える防犯フィルム。その厚さから、防犯だけでなく災害対策としても人気は高いが、慣れない人にとっては扱いが難しい。弊社が取り扱うフィルムは、全てJIS規格。
窓ガラスフィルムの貼付けにはそれなりの手間とコツが必要です。剥がす際も、失敗すると跡が残って窓が汚れてしまうリスクもあります。実際に「DIYしたけど逆にコスパが悪かった」という理由から、弊社に窓ガラスフィルムを注文されたお客様もいらっしゃいます。
実験による効果
窓ガラスフィルム日本工業規格通称JIS規格の試験に合格したものになります。
その時に実験を行います。
●ショットバック試験
衝撃破壊対応ガラス飛散防止性能試験はショットバック試験装置を用いて行います。ショットバッグ試験は人体衝突などの衝撃による破壊を想定した試験です。試験方法は45キログラムのショットバッグを使用し、落下高さ300ミリから試験片の中心点を加撃します。破壊したい場合は、落下高さ450ミリとして繰り返し試験を行います。ただし、加撃は10回を限度とします。ガラス面加撃を2枚、フィルム面加撃を2枚の合計4枚の試験を行い、4枚とも①と②のいずれかに適合しなければならないと規定しています。
①ガラスが破壊した場合、飛散したガラスの大きな派遣を10個選び出し、その総質量が80グラム以下で、かつ、最大派遣の1個の質量が55グラム以下とする。
②落下高さ450ミリの加撃を10回繰り返してもガラスが破壊しない。
●層間変位試験
層間変位破壊対応ガラス飛散防止性能試験は通常層間変位試験と呼ばれ、層間変位試験装置を用いて行います。層間変位試験は、地震などによる窓枠の歪みによる破壊を想定した試験です。試験方法は4本の鋼製フレームから構成されている試験装置に試験片をセットし、上部水平フレームを水平に移動することで、試験片に面内せん断変形を加え破壊します。飛散したガラスの総質量を測定します。
この試験は、4枚の試験片について行い、ガラス飛散防止率は平均値とし、95パーセントでなければならないと規定しています。
●ガラス貫通防止性能試験
ガラス貫通防止性能試験は試験装置を用いて行います。試験装置はJIS R3108(建築用ガラスの落球による防犯性能試験方法)によります。暴力的破壊行為による窓ガラスの安全性の確保を想定した試験です。試験方法は、衝撃体の落下高さによりA(3000プラスマイナス50ミリ)及びB(1500プラスマイナス50ミリ)の2段階に区分されている。衝撃体を落下させ衝撃体が試験片を貫通したかどうかを調べます。なお、衝撃後5秒未満に衝撃体が試験片を貫通した場合は、貫通とします。この試験は、3枚の試験片について行い、全ての試験結果が貫通しなかった場合に適合と規定されています。
台風で窓が割れると起こる危険性
台風の際に窓ガラスが割れると、以下のようなことが起こりえます。
1.ガラスの破片でケガをする
飛来物が当たってガラスが割れた破片で怪我をします。台風の時は風も強いので割れた破片を風と雨の中でで拾う事はできないです。実際に房総半島の地域で夜に対策をしようとしましたら停電も起こりました。真っ暗の中で作業は不可能と思い非難をしたと話されていました。最近の天気予報でも特別警報がでますと「命を守る行動を」と放送されています。
大阪で起こった事ですがマンション9階に住まわれている方がこの上の方までは物は飛んでこないと思って特に対策をされていませんでした。実際9階まで飛来物飛んできてなくなっています。近年の台風は想像を超えています。
2.空いた穴を塞ぐのに時間がかかる
窓ガラスが割れてしまったのを塞ぐのもなかなか難しいと思います。常に風が入ってくるので部分的に止めるのではなく、ガラス全面を覆うようにします。覆う時も台風時は風が入るので簡単にはできません。また、ご自宅に窓ガラスを覆うようなものがあればよいのですがなかなかない事の方が多いと思います。
3.天井や屋根が吹き飛ぶ
飛来物で窓ガラスが割れた時に台風時は常に風が入り続けます。その風はまた窓から逃げてくれればいいのですが気圧の関係で上へ逃げようとします。風の強さで天井を飛ばしてします場合もあります。最悪はそのまま屋根まで飛ばしてしまうケースもあります。
ボランティアで台風15号の一番被害が大きかった鋸南町の片づけに行きました。鋸南町の役場のガラスが割れて、電柱が折れていて、屋根の上のソーラーが巻き取られていて、ビニールハウスがペシャンコになっていました。何かのお店みたいな建物のガラスがなくなっていて屋根に大きな穴が開いていました。風の影響だとおもわれます。
前述の通り、台風で窓が割れるときは「飛んできた物が窓にぶつかった」というケースがほとんどです。外から飛んできたものによって割れるので、当然内側にガラスが飛散します。
また、飛散したガラスの破片によって穴を塞ぐのに時間がかかると、物が飛ぶほどの強風が室内に入り続けます。室内に入り込んだ風は、気圧の関係で上昇し続け、最悪の場合は屋根が吹き飛んでしまうケースもあります。
参照:【台風15・19号 千葉支援】耐久性が求められる屋根補修の手順
実際、2019年9月の台風15号で、特に被害の大きかった房総半島南部の沿岸部では、半年経っても修理できずにブルーシートで覆われたままの屋根が目立っていました。それほど多くの家の屋根が吹き飛んでしまったということです。
窓ガラスフィルムで台風の被害を最小限に
窓ガラスフィルムは、ガラスそのものを強化するのもではありません。ただ、万が一窓ガラスが割れてしまった際には、ガラスの破片が飛散するのを防いでくれますし、それによって起こる二次被害も防いでくれます。
DIYという選択肢もありますが、市販のフィルムの全てがJIS規格合格品というわけではないので、DIYをお考えの際には、一定の品質基準をクリアした「JIS規格合格品かどうか」を確認するようにしましょう。
弊社では、全てJIS規格合格品を取り扱っています。
特にリビングなどの吹き抜け部分の高所のガラスは台風や地震の時は何も対策ができません。
ガラスが割れた時に降ってくる恐れもあいますので何かしろの対策が必要になります。
個人の吹き抜け部分の高さは床から約5.4メートルあります。脚立では施工が不可能な高さになります。高所作業用のハッスルタワーやローリングタワーを準備する事ができますのでどのような窓ガラスでも施工は可能です。お客様の中には高い所の窓ガラスに飛散防止フィルムではなくて一番丈夫な防犯フィルムを施工して欲しいとのご要望の方もいらっしゃるぐらいです。
お客様のニーズとご予算をお伺いして、「フィルム1枚で快適な空間のご提供」ができるようなご提案いたしますので、お困りの際はどうぞお気軽にご相談ください。
窓ガラスフィルムのラインナップ
台風15号の上陸以降は窓ガラスに対策をしたいとお問い合わせを頂く事が増えてきました。
飛散防止フィルムはもちろんより頑丈なフィルムという事で泥棒対策の防犯フィルムを施工したい方も増えています。飛散防止フィルムと防犯フィルムをご紹介します。その中でも良く出ているものをご紹介します。
●飛散防止フィルム
- SN50 グラフィル 総厚68ミクロン
- SN100 グラフィル 総厚118ミクロン
- SH2CLEA スリーエム 総厚76ミクロン
●防犯フィルム
- SN350 グラフィル 総厚350ミクロン
- SN200 グラフィル 総厚213ミクロン
- SH15CLER (CPマーク対応) スリーエム 総厚391ミクロン
- ULTRA S2200 (CPマーク対応) スリーエム 総厚417ミクロン
- SS1490C (CPマーク対応) リケンテクノス 総厚447ミクロン
- 1561UH (CPマーク対応) リンテック 総厚425ミクロン
※総厚の中にはセパレーターも含まれます
防犯フィルムは泥棒対策ですが厚みが飛散防止フィルムよりも5倍以上あります。防犯フィルムは通常のフィルムとは異なりますので窓ガラスフィルム施工会社でも施工をしていない会社もあります。弊社は防犯フィルムのカット、施工も自社ですべて取り行えます。窓ガラスフィルム施工の国家資格1級も取得をしておりますのでCPマークの準備も可能です。
窓ガラス1枚分からの依頼も受け付けております。千葉県を中心に、関東全域どこでも駆けつけます。